6/23~30に秋葉原UDXシアターにて行われた「第5回 新人監督映画祭」に行ってきました。
今回の記事はインタビュー記事をもとにした「造る人の言葉」の紹介ではなく、映画祭で感じたことを少し書きたいと思います。
じつは映画祭というものに行くのが初めてでした。このブログで取り上げている記事の中にも、映画祭で行われたトークイベントの模様などがあったりします(若松孝二監督のインタビューなど)。映画祭というのは映画を造る人と観る人が交流し、対話がある場所だという事を映画業界の知人にも聞き、さっそく思い立って見つけることができた映画祭に行ってみた、という次第です。
ある平日の午前中という限られた時間しかいられなかったのですが、会場には若い人たちが多くいて賑わっていました。会場が2つあり、私が行ったときはメイン会場では大高正大監督の「人と別れと仕返しと」という作品の上映、サブ会場では「マイクロムービー甲子園上映会&トークイベント」が行われていました。その両方を見ることができました。(映画がオムニバスだったので途中で抜けて。。。)
訪問時が平日なので学生くらいの年代の人たちが多く、映画祭としては大人も集まる平日の夜や休日の様子はまた別の姿なのかなと思います。若く、経験値的にこれからの監督の映画を上映し、おそらく自分たちも映画を撮る人たちが見に来ているのかなと推測しました。
トークイベントでは90秒というフォーマットの「マイクロフィルム」という提案があり、こういうォーマットの映画を制作する人が増えてほしいという話が出て、商業主義的な映画が経済的に主流の度合いを増しつつある日本の映画業界において映画の幅を広げようという主催者(トークイベントに登壇した和田敦也氏)の意気込みを感じました。
映画の質としてはこれからの発展途上のクオリティだなという印象を持ちましたが、十分楽しめましたし、また、みんなで集まって発展途上の芸術作品をみんなで見て共有する、という機会が持てるのは映画という形態のいい面だなと思いました。それと、映画は総合的な芸術でもあるので、感想やコメント、批評をいうための「とっかかり」が複数あるのがよい点で、あれこれと鑑賞者同士でコミュニケーションが生まれやすいのだろうという思いを強くしました。例えば文学だと、なかなか同時に複数人が鑑賞するという体験はしにくいですし、(音楽はライブがあるのでいいですね)感想もカテゴリーとしてはストーリーと人物像の描き方と文体の3種類くらいでしょうか。ストーリー以外はある程度経験値を積まないとコメントが難しいかもしれません。音楽もライブなら音楽以外の舞台要素があるので感想は言いやすいですが、その意味ではライブは音楽というか、音楽にプラスアルファの要素が加わった別の新しい芸術の形態とも言えそうですね。
また別の映画祭を探して行ってみようと思います。